認知症病棟では、認知症を原因とする精神症状や周辺症状により、在宅や施設では対応が困難な患者様に対して短期に集中的に治療を行います。
精神科看護師ならではのじっくり見守り待つこと、そして寄り添い感受性を働かせ、メリハリのあるチームケアを行っています。
「認知症」について日々の勉強会や日常生活援助の熟練のための研修を行い、私達がキーワードとしている「尊厳」と「安楽」に一歩でも近づけたケアを展開できるように日々奮闘しています。
心理療法士を中止に行う回想法や作業療法士と行う毎日の生活機能訓練を通して患者様の情緒安定や残存機能の維持と向上、そして生活のリズムを整える働きかけをしています。
また、病棟内に設置された「在宅訓練室」では、在宅生活をイメージして過ごして頂くことで在宅復帰に向けた訓練を実施しています。ここでは、家族の方もお泊りして頂けるようになっています。
認知症ケアの主流となっている「パーソンセンタードケア」を理念として、認知症患者様が以前の生活の場に継続して戻って頂ける様に、個別性を考えたケアを展開しています。
認知症治療病棟では作業療法士が生活機能回復訓練のうち午前の体操の会、午後の創作活動をメインに担当しています。
体操の会は転倒予防等の身体的な機能訓練としてはもちろんのこと、習慣化することで生活リズムの安定を図り、馴染みのある関係作りにもなっています。生活リズムが安定してくると臥床時間も短くなり、「今日は体操あるんか?」等と患者様から関心を持ってもらえます。不安の強い方でも馴染みのある関係が出来る事で精神的に安定する方もおられます。
創作活動では余暇活動の一環としてぬりえや編み物、簡単な作業等を行っています。以前にされていた馴染みのある活動は、患者様もよく覚えておられ、こちらが教えてもらうこともあります。役割・馴染みのある活動があることで、患者様の自発的な参加にも繋がります。
3か月に1度ですが、お誕生日会も行っています。ボランティアに依頼し、演奏、演舞等を鑑賞した後にティータイムがあります。いつもとは違った表情が見られる瞬間でもあります。
活動の目的は患者様により様々ですが、少しでも穏やかに過ごせる時間のお手伝いになればと考えています。
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